換気しないとどうなる?室内で起きる4つの変化とCO2濃度の推移

換気をしない部屋では、まずCO2が溜まります。大人1人が6畳の部屋で過ごした場合、24時間換気が動いていても2時間で1,500ppm、8時間で2,000ppm前後まで上がる計算になります。建築物衛生法の管理基準は1,000ppm以下です。

CO2以外にも、湿度・においの原因物質・熱が同時に溜まっていきます。この記事では、換気しないと何がどのくらいのペースで起きるのかを、計算値と公的な基準にもとづいて整理します。

部屋の空気がどうなっているか測ってみる

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換気しないと室内で起きる4つの変化

溜まるもの 発生源 基準・目安
二酸化炭素(CO2) 人の呼気 1,000ppm以下(建築物衛生法)
水蒸気(湿度) 人の呼気・発汗、調理、入浴 相対湿度 40〜70%(建築物衛生法)
揮発性有機化合物(VOC) 建材、家具、塗料、接着剤 ホルムアルデヒド 0.1mg/㎥以下(建築物衛生法)
人体、家電、日射 18〜28℃(建築物衛生法)

このうちCO2だけが、発生源が人に限られ、外気の値がほぼ一定という性質を持っています。だからCO2は「その部屋の換気が足りているか」を判断する指標として使われます。湿度やにおいは、換気以外の要因(加湿器、料理、季節)で動くため指標にしにくいのです。

CO2はどのくらいのペースで上がるのか

成人1人あたりのCO2発生量を0.02㎥/h(安静時)、屋外を450ppmとして計算した理論値です。

6畳の寝室に大人1人(約24㎥)

換気の状態 1時間後 2時間後 4時間後 6時間後 8時間後
24時間換気あり(0.5回/h) 約1,110ppm 約1,500ppm 約1,890ppm 約2,030ppm 約2,090ppm
隙間換気のみ(0.1回/h) 約1,240ppm 約1,960ppm 約3,200ppm 約4,210ppm 約5,040ppm
完全密閉(0回/h・理論値) 約1,280ppm 約2,120ppm 約3,780ppm 約5,450ppm 約7,120ppm

注目してほしいのは「1時間後」の行です。どの条件でも、たった1時間で1,000ppmを超えています。締め切った部屋にいるとき、思っているより早く基準を超えているということです。

会議室に6人(50㎡×2.6m=約130㎥)

換気回数 30分後 60分後 90分後 120分後
0.5回/h 約860ppm 約1,180ppm 約1,420ppm 約1,620ppm
1回/h 約810ppm 約1,030ppm 約1,170ppm 約1,250ppm
2回/h 約740ppm 約850ppm 約890ppm 約900ppm

換気回数0.5回/hの会議室では、1時間の会議の途中で基準を超えます。2時間の会議なら後半はずっと超えたままです。

「完全密閉」は現実にはほとんどありません

上の表で「完全密閉」を載せましたが、これは理論上の値です。実際の住宅やオフィスには、サッシの隙間・給気口・ドアのアンダーカットなどから常に空気が出入りしています。この隙間換気だけでも、おおむね0.1〜0.5回/h程度は確保されているのが普通です。

そのため、現実の部屋では濃度が無限に上がり続けることはなく、ある値で頭打ちになります。これを平衡濃度と呼びます。

換気の状態 6畳・1人での平衡濃度
隙間換気のみ(0.1回/h) 約8,800ppm
24時間換気(0.5回/h) 約2,120ppm
窓を少し開けている(1回/h) 約1,280ppm
2回/h 約870ppm

ただし平衡に達するには時間がかかります。0.1回/hの部屋が8,800ppmに達するには数十時間かかるため、一晩の睡眠では5,000ppm前後で朝を迎える計算になります。

1,000ppmを超えると何が起きるのか

ただちに健康被害が出る濃度ではありません。ただし、比較的しっかりした条件の研究がいくつかあります。

いずれも被験者数が20名台の研究であり、これだけで結論が出る話ではありません。ただ「換気の悪い部屋だと頭が働かない気がする」という体感には、それなりの裏づけがあるということです。

法令上、換気しないままにできない場合もあります

施設によっては、換気は努力目標ではなく義務です。

法令 CO2の基準 対象
建築物衛生法(ビル管法) 1,000ppm以下 延べ面積3,000㎡以上の特定建築物(学校は8,000㎡以上)
学校環境衛生基準 1,500ppm以下が望ましい 学校
事務所衛生基準規則 5,000ppm以下
(空調設備がある場合は1,000ppm以下)
すべての事務室

とくに事務所衛生基準規則は建物の規模を問わず適用されます。「うちは小さいビルだから関係ない」という話にはなりません。

ではどうすればよいか

1. まず今の状態を知る

ここまでの数値はすべて計算値です。実際の部屋は、隙間の量も、給気口の状態も、在室人数も違います。自分の部屋が何ppmなのかは、測らないと分かりません。

2. 換気の方法を見直す

3. 窓が開けられないなら設備で解決する

高層階のオフィスや窓のない会議室では、機械換気に頼るしかありません。この場合、設備が動いていても実際に効いているかどうかはCO2を測らないと判断できません。給気量が足りていない、フィルターが目詰まりしている、といったケースは珍しくありません。

在室人数が変動する部屋であれば、CO2濃度に応じて換気量を自動調整する制御(デマンド換気)が有効です。人がいないときは抑え、増えたら上げるため、空気環境と省エネを両立できます。

記録して、改善の前後を比べる

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よくある質問

換気しないとどうなりますか?

CO2・湿気・においの原因物質・熱が室内に溜まっていきます。CO2は大人1人・6畳の部屋で、24時間換気が動いていても1時間ほどで1,000ppmを超える計算になります。

1日中換気しないと危険ですか?

一般的な住宅で危険な濃度(数万ppm)に達することはまずありません。隙間からの換気が常にあるため、濃度は数千ppmで頭打ちになります。ただし数千ppmの環境が集中力や快適性に影響する可能性は研究で示されています。

エアコンをつけていれば換気になりますか?

なりません。多くのエアコンは室内の空気を循環させているだけで、外気を取り込んでいません(換気機能つきの機種を除く)。CO2モニターで見ると、エアコン運転中も数値が下がらないことが確認できます。

空気清浄機では換気の代わりになりますか?

なりません。空気清浄機は粒子やにおいを除去しますが、CO2を除去する機能はありません。CO2を減らす方法は外気と入れ替えることだけです。

24時間換気は止めないほうがいいですか?

止めないでください。0.5回/hの換気があるかないかで、8時間後のCO2濃度は約2,100ppmと約5,000ppmで倍以上変わる計算になります。音が気になる場合は、風量を下げる、機種を見直すといった方法を検討してください。

まとめ

この記事の計算の前提

参考にした資料

CO2濃度は「測る」と一目で分かります

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